変わる家族変わる食卓−真実に破壊されるマーケティング常識−

変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識

変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識

広告代理店アサツーディ・ケイが1998年から2002年に行った「食DRIVE」という調査についてまとめた本。
「食DRIVE」とは、1960年代以降に生まれた主婦を対象にして、食についての意識調査とともに、毎日の食生活を1週間記録してもらい、その後、それらの結果について詳細な面談を行うという、手間のかかる調査だ。
 長期間にわたる詳細な調査から分かることは、家庭の中で「食」役割が変わってきているということだ。手間をかけたおいしい料理を家族で味わったり、栄養面のバランスをきにするよりは、簡単で家族が好きなものだけを作るようになっている。なかには、家族がそれぞれ好きなモノをコンビニで買って食べているという例もある。

「食べるくらいなら旅行や遊びにまわしたい」
「朝食には、簡単で子供も喜ぶお菓子のように食べられるものが良い」

 しかし、彼らは意識調査やインタビューでは、「栄養バランスを考えている」「料理は手作りを重視している」と答えるそうだ。

 このような「言ってること」と「やってること」の乖離は年々大きくなり、この三年間にも三倍くらいの量に増えている。
・・・・・・中略・・・・・・
 いま、現代夫婦へのアンケート調査で得られる確かなものは、「聞かれたら『そういう答えをする人』が何人いるか」ということだけで、『そのような人』が何人いるか」ではない。

 著者は現代夫婦のこのような現象を「正解主義」と呼んでいる。質問に、実際の自分の行動に照らし合わせてこたえるのではなく、正解と思われるように答えるのだそうだ。だから、単純なアンケート調査をとっても、彼らの実態はつかむことができない。彼らの実態を正確につかむには、より高度な技術や深い洞察が必要になると著者は結論づける。


 まず、夕食がコンビニおにぎりだけとか、朝食にケーキとか想像つかない食事をしている人が珍しくないということに驚きです。そして、そういう食生活を疑問に思っていないことにも・・・・・・。


 アンケート調査に実際の行動よりも、質問者の意図する「正解」を予想して答えるということは、自分にもそういう傾向があるので、特に新しくは感じなかった。実際の行動はひとさまにお見せできるようなものではないので、つい嘘をついてしまいます。ただ、嘘つき派がこれだけ多数派だとは思いませんでした。